
【速報】GPT-4.5 登場!史上最強のAIモデルがリサーチプレビューを公開

2月28日、OpenAIはこれまでで最も高性能なチャット向けモデル「GPT-4.5」のリサーチプレビューを発表しました。
GPT-4.5は、教師なし学習と事後学習のスケーリングを大幅に向上させたモデルであり、Proユーザーおよび開発者向けに提供が開始されています。
GPT-4.5の進化:より自然な対話体験へ
初期テストでは、GPT-4.5との対話が従来のモデルよりも自然に感じられることが示されています。主な改良点として、以下のポイントが挙げられます。
- 知識ベースの拡大:より広範囲な知識をカバーし、精度の高い情報を提供
- ユーザー意図の理解力向上:コンテキストを深く解析し、より適切な回答を生成
- 進化したEQ(心の知能指数):感情を理解し、より共感的な対応が可能
- 誤情報(ハルシネーション)の低減:情報の信頼性を向上
GPT-4.5は、文章作成やプログラミング支援、実用的な問題解決など、多様なタスクにおいて強力な性能を発揮することが期待されています。
教師なし学習のスケールアップとリーズニング強化
AIの知能向上には「教師なし学習」と「リーズニング」の2つの軸が重要とされています。
- リーズニングのスケールアップ:思考の連鎖(Chain of Thought)を学習し、より
高度な問題解決が可能に。 - 教師なし学習の拡張:現実世界の知識の精度と直感的な理解力を向上。
GPT-4.5は、このうち強化なし学習の拡張によって強化を図っていますが、今後発表される
予定のGPT-5ではこの両方のアプローチを統合し、高度な直感と事実に基づく判断力を強化しています。
人間と調和するためのトレーニング
GPT-4.5では、以下の点に重点を置いたトレーニングが行われています。
- 制御性の向上:よりユーザーの意図に即した出力を生成
- ニュアンスの理解強化:微妙な表現や文化的な背景をより適切に解釈
- 自然な会話能力:応答の柔軟性を向上させ、よりリアルな対話を実現
また、ユーザー評価においても、GPT-4.5は従来のモデルよりも好まれる傾向が見られて
います。
実際のユースケース
GPT-4.5は、さまざまな分野での活用が期待されています。
- 教育・学習支援:難解な概念の説明や語学学習のサポート
- ビジネス・コンサルティング:戦略立案やデータ分析のサポート
- 創造的作業:文章作成やデザイン支援
- メンタルヘルス・相談:共感的な対話によるサポート
安全性と今後の展望
AIの能力向上に伴い、安全性の確保も重要視されています。GPT-4.5では、新たな監督手法を導入し、従来の強化学習(RLHF)に加えて、より高度なフィードバックシステムを活用しています。これにより、より信頼性の高い応答を提供できるようになっています。
また今後のモデル開発では、リーズニングとツール活用能力の向上を目指し、さらに高度
な知識処理や意思決定能力を備えたAIの開発が進められる予定です。
GPT-4.5の利用方法
現在、GPT-4.5は ChatGPT Proプランのユーザー向け に提供されています。APIのプレビュー提供も開始されており、開発者はChat Completions APIやAssistants APIなどを通じて
モデルを活用できます。
(参考)プレイグラウンドの回答例
・GPT-4oの場合
System: あなたはアシスタントとしてユーザーの期待に答えてください。
User:相手の期待にうまく答えられなくてイライラしてしまいます。
Assistant:
それはとても理解できる気持ちです。相手の期待に応えようとすることは大切ですが、自分を追い詰めてしまうこともありますね。以下の方法を試してみてはいかがでしょう:
1. **境界を設定する**: 自分が対応できる範囲をはっきりさせ、それ以外のことに関しては正直にコミュニケーションをとるように心がけましょう。
2. **オープンにコミュニケーションを取る**: 相手が何を求めているのか、また自分がどこまで対応できるのかをお互いに理解できるように話し合いをしてみてください。
... (続)
このように、ユーザーに対して解決策を提示しています。対してGPT-4.5では、
・GPT-4.5の場合
System: あなたはアシスタントとしてユーザーの期待に答えてください。
User:相手の期待にうまく答えられなくてイライラしてしまいます。
Assistant:
相手の期待に上手く応えられないと、自分自身に対して不満や焦りを感じてしまうことがありますよね。その気持ちは、とても自然です。
まず、自分が相手の期待に完全に応えられない時があることは、誰にでもあることだと思います。上手くいかなくても、自分自身を責め過ぎないことが大切です。
こうしたイライラが起こったときには、次のポイントを意識すると少し心が軽くなるかもしれません。
1. **完全を求め過ぎない**
相手が期待する内容がいつも100%理解できたり、応えられたりするわけではありません。これは誰にでもあることですので、自分自身を許容するよう心がけてみましょう。
…(続)
GPT-4oとは異なり、ユーザーの行動に寄り添い、助言という形で解決策を提示しています。言葉だけで見ても、印象が大きく異なる回答を垣間見ることができました。
まとめ
より広い知識ベース、ユーザーの意図を汲み取る能力の向上、そして進化した「EQ(心の知能指数)」により、人間との自然な対話が可能になりました。ただし、プログラミングに関しては、OpenAI o3-miniなどの推論に特化したモデルの方が優れている可能性があります。
GPT-4.5の登場により、AIとのコミュニケーションがより自然で人間らしいものになり、日常生活やビジネスでのAI活用がさらに進むことが期待されます。
今後は、GPT系モデルとo1/3系の推論モデルを統合した新たなモデル(GPT-5?)の登場が期待されます。
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